第1章 EPISODE Claude

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――― カーテンの隙間から覗く朝方の空を、クロードはぼうっと見つめていた。 時刻はまだ六時前。起き出すにはまだ早い時間だった。 しかし反面目は冴えていた。 今日は休日だ。この日ばかりは余計なしがらみがなく、プレッシャーもないために、気持ちにも余裕があるのかもしれなかった。 さて、今日は何をしよう。 クロードはふと考えてみた。 休日といえども、別段心躍るような何かがあるわけではない。 仕事終わりに組織の仲間と出かけることはあっても、休日ともなれば別なのだ。 というわけで、ひとりでの一日の過ごし方を考えなくてはいけない。 そういう意味では、同世代くらいの知り合いがいたらよかったのにな、とクロードは少し淋しくもなった。 組織にいるのは年上ばかりだ。それに、ドラクロスにいた時も、一族のしがらみから友達といえる人間はいなかった。 それが一族では普通だった。 結局、買い物に行くことにした。 戦闘用に備えている衣服が、最近ではだいぶくたびれているのだ。 目的が決まったところで、クロードはもう一度眠ることに決めた。 まだあと二時間くらいならば大丈夫だ。
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