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今夜はもう、いよいよ日が変わろうという時間を迎えていた。
読んでいた本を閉じて、クロードは、ベッドに投げ出していた身体を起こした。
そしてゆっくりと立ち上がる。
たったひとつしかない狭い部屋を出て、隣の台所へと向かう。
床が少し汚れている気がする。
最近、掃除をサボってたからなあ、とそんなことをクロードは思った。
流し台の前に立ち、縁のほうに置いてあるコップから、青い歯ブラシを取った。
この瞬間には毎日、しかもほぼ同じ時間に遭遇するわけだが、そのたびに一日の終わりというものを感じてしまうのだ。
今日はこれで終わり――。こうして、また今日の一日が消えていくのだ。
そして新たなる未来が生まれてくる。
とはいえ、今日というこの一日に、何か特別な意味があるわけではなかった。
むしろ逆だ。何の変哲もない日々が続くのは、とても好ましくないことなのだ。
クロードが、ここバルティアで一人暮らしを始めてから、そろそろ一年が経過しようとしている。
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