298人が本棚に入れています
本棚に追加
「まったく、むちゃするよな。でも――」
それから、残り数回のカーブを乗り切って、ラストの直線へ戻ってきた。
ゆっくりとスピードを落として、サーキットの路肩にゼファーを停車した。
「ありがとう。満足よ。大会に出るまでに、座席とかシートベルトのあたりも改良しないといけないかもね。あと、できるなら足回りも」
シートベルトを外し、リーサは運転席から降りようとした。
「ちょっと待って」
「なに?」
「リーサ……大会に出ないか」
「大会に……って、そりゃ、出るでしょ」
フランが、ゆらりゆらりと首を振った。
「違うよ。リーサがドライバーとして大会に出るんだ」
「わたしがドライバー……って、わたしがっ?」
最初のコメントを投稿しよう!