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両の掌が汗ばんでいる。それだけではない、背中のほうにまでも、じっとりと嫌な感触があった。
しかし、決めた以上は逃げられない。
リーサは今一度、ハンドルを強く握り締めた。ここまでくれば、ゼファーとフランを信じるのみだ。
リーサの隣には、ゼファーと同じようなタイプの車体が並んでいる。
大会に参加しているのは、全部で十二台だ。
この中で、是が非でも一位をもぎ取らなくてはならない。
それがこの半年間、フランとともに追いかけ続けてきた夢だからだ。
いや、今日の大会を機に、その夢はついに現実になるかもしれないのだ。そのターニングポイントにもなりうる大会なのだ。
ここは夢の終わりであり、同時に始まりでもある。
リーサは決心した。そして、このサーキットの客席のどこかで応援してくれている、フランへ勝利を誓った。
このサーキットは、フランの工場のものよりずっと広く、そしてコースも長い。
前日の試験走行を経験してはいるものの、やはり簡単に不安を拭い去ることはできない。
周りの質のいい車体を見ていると、不安感が押し寄せてくるのだ。
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