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だからリーサも、そこへ活路を見出すことにした。
とはいえ、リーサは機械ではない。
物理的なフィルターを作ることは不可能なので、別の手段を探すしかなかった。
当然、その媒体は魔力になるのだろうが、魔力を濾すために魔力を使用するというのもおかしな感じだった。
もっといい方法はないだろうか――。
時をほぼ同じくして、リーサは図書館で興味深い書物と出会った。
四種の魔力についての研究内容が示された、二十年ほど前の古い書物だった。
四種の属性を操れた人間が過去にいたことは、フランと調査をした時に知ったが、これにはまた別の事実が示されていた。
四種の魔力を操った人物のうち、ある者には特殊な能力が身についたというのが、その内容だ。
それが、“無”と名付けられた属性だった。
内容を読む限り、無属性とは、四種の属性を合成するようにして誕生したものらしかった。
なぜ、それが無属性と呼ばれるようになったかといえば、その魔力によってまとわれるオーラが、白っぽいような透明のような色をしていたことが由来らしかった。
透明――イコール、無色、だ。
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