第4章 EPISODE Reito

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光を浴びた剣の先が、しなやかに伸びる雑多な植物の身を扇いだ。 そして、それらは程なくして元のしゃんとした姿に戻る。 そう、まるで風に吹かれたときのように。 「なかなか、初めのころに比べると、剣筋がよくなったみたいだね」 剣を振るうのをやめ、顔を上げて声の方向を見た。 少し離れた場所で、草原の中にぽつりと置かれている岩が目についた。 その上に、スーツ姿のフェリックスは腰掛けているのだ。 片方の膝を立てていて、余裕のポーズともいえる体制をとっている。 「そうですか?でも、まだ今のままじゃダメみたいです」 さらに熟練されていけば、さきほどの剣先は植物の身を扇ぐのではなく、真っ二つにしていたことだろう。 残念ながら、怜人の実力はいまだそのレベルには至っていないというわけだ。 「そんなに焦ることはないさ。日々の鍛練が一番の上達への近道なんだからな。もちろん、毎日続けることが条件ではあるけど」 「でも、この修行の旅を始めてから、もう一年以上が経ちますからね……」 つまりは、ドラクロスを離れてから一年というわけだ。 そう考えると、怜人の成長は遅いくらいかもしれなかった。
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