第1章 EPISODE Claude

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こんなふうに、たまに兄から手紙を受け取るのだが、それをありがたいと思ったことはなかった。 どうせそれは、彼の一方的な欲求だけで送付されてくるものだからだ。 クロードは、兄のクラフトとは、どうにも馬が合わないところがあるのだった。 彼の唯我独尊といった雰囲気が、肌に合わないという理由が一番だろう。 やはり続きを書く気持ちにはなれないので、クロードは床につくことにした。 ちょうどそのときだ。 その出来事は、クロードが部屋の明かりを消した瞬間に起こった。 隣の部屋から、重量のあるものが固い何かにぶつかるような、巨大で低い物音が聞こえてきたのだ。 そのすぐあとに、木製の床が大きく音を響かせたような音が隣から届いた。 なんだろう? そう思ったが、明かりを再び灯すことはしなかった。そうしたところで何かがわかるわけではないからだ。 すると、視覚が遮られているおかげか、続いて小さな物音が聞こえてきた。 部屋を歩き回るような、しかし僅かしか耳に留まらない。 おおよそ、重たい家具か何かを移動させていて、誤って落としてしまったのだろうと、クロードは推測した。
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