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前回、アニーが荷馬車にひかれそうになった時は、足だけを部分強化したが、今回は肉体全てを強化する。地から力が這い上がってくるのが分かる。そのおかげで、巨大ザックがだいぶ軽く感じる。
「それでは行きますか。世界で六つしかない大国の一つ、フェーリアへと」
リリーは力強く頷く。
「はい。よろしくお願いします」
彼女は再びフードをかぶり直した。
「あなたを必ずや無事に大国フェーリアに連れて行くと誓いましょう」
神々しく輝く首輪を軽くなぞる。これは誓いの証。破れば俺にはーー。
ーー『死』が待っている。
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