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「何部屋にしますか?」
「二部屋で」
「いえ、一部屋でお願いします」
「え?」
シリルが素っ頓狂な声を上げる。だけど、リリーは、自分の言葉を訂正しなかった。こんな場所で、一人寝るのが怖かったからだ。
「俺と同じ部屋でいいのですか?」
「はい。そちらの方がいいです」
素直にそう告げると、シリルがわかりましたと許容する。
「やっぱり一部屋でお願いします」
「承知しました。では、フロントから鍵を取って参りますので、それまで中に上がってこれをお書きください」
おばあさんは、宿泊にあたっての注意事項と宿泊プランが書かれた紙を渡すと、中へ戻っていく。それを二人して見届けると、中に上がった。
「宿泊プランは、どれにしますか? 昼までならここにいられますけど」
受け取った紙をリリーに見せる。
「一泊二日で昼ご飯付にするか、朝ごはん付きで早めにここを出るか。どうします?」
再度、リリーに尋ねる。
「昼までにしましょう」
「わかりました」
シリルから魔法を解かれた後、かなりの疲労が襲ってきていた。この分では、明日筋肉痛になるのは間違いない。だから、リリーは出来る限り体を休めたいと、昼までいることにしたのだ。
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