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「ごめん!!!」
パンッと両手を合わせて、思いっきり頭を下げる須藤。
その姿はまるで私を拝んでるようなポーズだ。
なんだろう、イラッとする。
『拝むならお賽銭寄越せ』とか言いたくなる。
この状況じゃ言えないけど。
「須藤、顔を上げて……」
私はなるべく優しく言った。
「七瀬……」
切なげな須藤の表情。その瞳を私は見つめる。
「私も……覚えて無い」
「……は?」
「私こそ、ごめん!!!」
私も須藤と同じように手を合わせて謝った。茫然とし再び固まっている須藤。
そりゃそうか、ハハハ。
でもお互い様だからいいよね? きっと。
そんな事を考えていると、固まってた須藤が急に顔を赤らめた。
「七瀬、前! 前隠せ!!!」
「前?」
言われて下に視線を向ければ、掛け布団で隠してた身体が晒されてる。
『うげっ!』と色気の無い声を出して、慌てて掛け布団を引っ張った。
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