その1

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  「ごめん!!!」 パンッと両手を合わせて、思いっきり頭を下げる須藤。 その姿はまるで私を拝んでるようなポーズだ。 なんだろう、イラッとする。 『拝むならお賽銭寄越せ』とか言いたくなる。 この状況じゃ言えないけど。 「須藤、顔を上げて……」 私はなるべく優しく言った。 「七瀬……」 切なげな須藤の表情。その瞳を私は見つめる。 「私も……覚えて無い」 「……は?」 「私こそ、ごめん!!!」 私も須藤と同じように手を合わせて謝った。茫然とし再び固まっている須藤。 そりゃそうか、ハハハ。 でもお互い様だからいいよね? きっと。 そんな事を考えていると、固まってた須藤が急に顔を赤らめた。 「七瀬、前! 前隠せ!!!」 「前?」 言われて下に視線を向ければ、掛け布団で隠してた身体が晒されてる。 『うげっ!』と色気の無い声を出して、慌てて掛け布団を引っ張った。
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