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私学に通う美希も、椅子から立ち上がりお弁当の包みを掴む。
「空ちゃん。行って来ます」
「えっ?あっ、行ってらっしゃい」
積極的な美希のアプローチも、鈍感な空翔はきっと本気だと思っていないんだよね。
あたしの気持ちも、気付かなかったんだから。
あたしは昨日告白したことで、かなり気まずい。
「さっきから気になっていたんだけど。空君頬腫れてるよ。喧嘩したの」
「……えっ?」
ママの言葉に空翔も、そしてあたしもギクッとする。
新聞を広げていたパパが、空翔をチラッと見た。
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