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あたしは思いっきり、海翔の足を踏んづけた。
「…いてーな」
「バーカ!」
そのままあたしは走って逃げた。
海翔に息を吹き掛けられた耳が、熱を帯びている。
昨日あたしが言ったこと、全然聞いてないの?話になんないよ。
昨日告白したのに、空翔は平然としていたし。空翔はあたしのこと眼中にないんだ。
空翔の顔と海翔の顔、同じ顔が頭の中で浮かんでは消える。
『好きでもねぇくせに!美優の心を弄ぶんじゃねぇ!』海翔の言葉が鼓膜に甦り、思わず立ち止まった。
意地悪悪魔…
海翔なんか…大きらいなんだから。
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