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◇
六月、空翔と海翔が家に来て、一ヶ月半が経過した。
空翔とあたしの関係は、何の進展もない。海翔とあたしの関係も天敵でしかない。
パパの厳しい監視の下、あの二人は真面目に学校に通い部活に励み、品行方正な学生生活を送っている。
――土曜日、あたしはいつものようにリビングのソファーに寝転がり、テレビを見ていた。
家には誰もいない、あたし一人。
「オイッ!」
「うわわ、わ」
突然声を掛けられ、体がビクンと跳ねる。
「なんだ、海翔か」
「なんだはないだろう。はい、これ」
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