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海翔はあたしに一枚のチケットを渡した。
「何これ?」
「言ったろ。ミュージックフェスティバルの観覧チケット」
「観覧チケット?あれ、マジだったの?」
「嘘吐いてどうすんだよ。約束だからな、忘れんなよ」
海翔が珍しく神妙な顔をしている。
「約束?何かしたっけ?」
「アホ、ミュージックフェスティバルで俺がグランプリ獲ったら、俺と付き合う約束だろ」
「グランプリ?あはは、海翔のレベルで優勝なんてムリムリ。あんなヘタッピがグランプリなんて、あり得ない」
本当はかなり上手い。
でも、グランプリなんて夢の夢だ。
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