406人が本棚に入れています
本棚に追加
/29ページ
あたしの鼓動はドキドキと煩く音を鳴らす。数回深呼吸をし呼吸を整え、あたしはホッと胸を撫で下ろした。
キスもされていないのに、顔は真っ赤だし、心臓の鼓動は乱れ打ちだ。
一体、なんなのよ。
あたしの手にはミュージックフェスティバルの観覧チケット。
ていうか一枚しかないよ。
一人でわざわざ行きたくもない。
左手の指にチケットを挟み、ヒラヒラと揺らす。
「美優ちゃんただいま」
「美希、お帰り」
「あれ?おばあちゃんは?」
「買い物だよ」
「美優ちゃん、なにそれ?」
美希は冷蔵庫からジュースを取り出しながら、チケットに視線を向けた。
最初のコメントを投稿しよう!