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五月カンナはティーカップに注いでいた紅茶を、あと少しで溢しそうになった。
「今、何て言った?」
落としたりしたら大変だと、一度テーブルにカップを置いてから目の前のソファに座る彼女に尋ねた。
「だから、ライブやるわよって言ったの」
「そこじゃない。場所だ、場所!」
「惑星パルスミンよ」
カンナの淹れた紅茶を美味しそうに飲みながら、銀河の妖精 エティア・ハーツが答える。
「何でパルスミンなんだよ」
カンナが呆れながら、ため息と共に呟いたがエティアはお構い無し。
「私はエティアよ。要望があれば、どこにだって行って歌うわ」
予想通りの答えに、カンナは返す言葉がない。
「それで、どうするんだ?」
「今回は場所が場所だから大掛かりなステージは作らないつもり。野外ステージにしようかな。シンプルでもちゃんと見せるところは見せるわよ」
「ストップ。そうじゃなくて、護衛は?」
ライブのステージ構成など話始めたら1時間あったって足りないし、後からあれこれアイディアを出してきて最初の予定と大幅に変わることもいつものことなので、カンナは聞かないことにしている。
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