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赤い円に交差する剣をマークとしている、「陽炎団」。今や「アークス」の有名なチームの一つ。日々、激闘を繰り広げながら、この惑星の調査をしていた。
「く…ぅん」
黒髪の短髪の少女が、うなされながらに眠っている。夢を見ているようだ。
少女の夢の中は、薄暗く、空には紅い雲、そして、赤い、「陽炎団」の誇りのマークが月のように浮かんでいた。
その赤い模様に照らされ、少女は立っていた。ある人物を見つめながら。
「…那緒、俺はもう反逆者だ」
那緒、と呼ばれた少女は、少年の言葉に首を振る。少年の姿は赤い光でよく見えない。しかし背格好はなんとなくだが、わかる。
誇りのマークには剣の交差するのに対し、赤いばってんで崩されている。そして、袖は上下とも七分袖で動きやすそうだ。
「ごめんな、ごめん」
「いたぞ!反逆の翼だ!!」
那緒の仲間が援軍に来たのか、少年は振り向き、逃げようとする。背中のマークにもばってんがついていた。これが、反逆の証。
「待って、待ってよ!大輝!!」
ぱちっ。
夢から覚めた那緒は、額に汗をにじませ、はぁはぁと息を乱している。
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