始まりは突然

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那緒はベッドの横にある写真を見る。そこには「陽炎団」と書かれた4人組の笑っている姿があった。 「はぁ、はぁー…」 今の夢は何だったのか、不思議でたまらない。だが、これから何か嫌なことが起こる感じがしていた。 「那緒さん!?大丈夫ですか?顔色が優れませんが…」 「坊華ちゃん…大丈夫だよ、おはよ」 起床時間だったのか、「陽炎団」NO.4の風来 坊華が、那緒を呼びにくる。坊華は魔法系の攻撃が得意で、唯一の「ヒーラー」、回復系だ。那緒とは仲が良く、よく抱きついたりする。 「ならよかったです。朝ごはんできてますよ」 「うん、ありがとう」 那緒は、坊華を先にリビングへと行かせ、体を起こす。 いつも通りの身支度をして、那緒もリビングへと降りた。そこにはもうすでにメンバーが揃っていた。 「おはようございます、大丈夫ですか?」 那緒は少し苦笑いしながら、「陽炎団」リーダーの黒道 鴉に挨拶を返す。鴉は短剣を自由自在に操れ、普段はいつも道化師の仮面をかぶっている。何でも落ちつくらしい。 那緒が苦笑いしたのは、夢にうなされて顔色を悪くしたなんて言えないからだ。 「大丈夫かよ、今日は大事な会議があるんだぞー」 「うっさいなー、わかってるわよ、大輝」 鴉の横からもくもくと食事を口に運んでいる、メガネの真麓 大輝が言う。大輝も「陽炎団」No.3で、長銃を得意とする、遠距離型だ。チームでは、那緒のツッコミ兼、ストッパー役。 「…那緒、貴女、何か悪い夢でも見ましたか?」
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