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那緒は鴉にそう言われ、ギクッとする。動揺を隠せなかった。
鴉はふぅとため息をつき、キリッと目つきを変え、那緒に問い詰める。
「もしかしたら予知夢になる可能性があります。教えてくれますか?」
「は、はい…」
那緒は簡潔にだが、鴉たちに夢の内容を伝えた。
薄暗く、マークが月のようになっていたり、反逆者がいたり、大輝が別人になっていたり…となるべく詳しく話した。
話し終わると大輝が笑い出す。
「アホか?そんなことあるわけないだろう」
「しかし、やけにリアリティがありますね…」
坊華も鴉の言葉にうなずく。那緒は、椅子に座り込み下を向いていた。
「だ、大丈夫ですよ!そういえば那緒さん、今日デパート行くんですよね」
「うん、行こう」
最近、「アークス」のメンバーの中で夢を見て、それが現実となって事実となっている、予知夢だ。この予知夢はランクや、成績が優秀なものほど酷いものになっている。だから鴉は心配していたのだ。
那緒と坊華がリビングを出ていき、大輝も出ようとしていた。しかし、鴉に止められる。
「大輝、なるべく一人にならないように」
「…?御意…」
大輝は鴉にそう言われたものの、今日はオフ日。那緒と坊華はデパートに仲良く買い物。鴉は単独の討伐に行くそうだ。
大輝は、街中なら問題ないだろうと思い、愛武器「ラムダティグリドル」を担いで出かけようとする。
「ちょうど手入れしたかったし、よかった」
明るい日差しが大輝の目をくらます。ちょうど、夏終わりくらい。庭に咲くひまわりの花が眩しい。
大輝は一人街中へと出向いた…
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