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街はあいかわらず賑わっていた。大輝はこの感じが好きだ。「アークス」のみんなが明るく、優しく暖かいのだ。
「最近忙しかったからなぁ」
最近、「陽炎団」の活躍は世間一般に広まり、確実に仕事が増えていた。チームワークも強まり、子供たちからも憧れの的になっていた。
時間は立つのが早く、もうすでにお昼だ。武器も手入れした大輝は、家に帰ろうかと思った。
その時だ、ぶわっと街中は暗くなる。辺りの人も慌て始める。大輝は武器を構える。
「何だよ、一体…」
ふと大輝は空を見た。薄暗い辺りに対し、紅い雲。そして…
「あれは…!!?」
月のように浮かぶ、赤い円の剣が交差する、誇りのマーク。
「ぁ、ぁあ。嫌!!」
「那緒さん、落ちついてください!」
街中のデパートから出ていた那緒と坊華も辺りの変化に混乱していた。
予知夢だ、那緒はそう思い武器を引っこ抜き、坊華を置いて走り出す。坊華も後を追いかけ急ぐ。
ppppp
鴉からの電話だ。しかし、那緒にその音は聞こえない。
「鴉さん!那緒さんが大変なんです!」
『なんとなく状況は読めます!大輝は一緒ですか!?』
あの冷静沈着な鴉が焦っていた。坊華は、この状況はかなり悪いことだとすぐに理解した。しかし、落ちついて鴉と会話する。
「まっふーは一緒じゃないです!」
『そうですか…私もそちらに向かいます!それまで那緒をお願いします』
「わかりました!」
那緒は無心に現れる敵を蹴散らして行く。その敵のマークを横目で見ながら。
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