121人が本棚に入れています
本棚に追加
/25ページ
一年前────
「ん……」
「起きたか…」
ある人物の低い声が、俺の耳に届いた。
その声は、何処かで聞いたことのある声で…、
「………。親父…」
俺は顔をしかめた。
兄弟の中でも、俺は親父との反りが合わず、ずっと疎遠だったからだ…。
「…。急な話なんだがな‥。お前には、これから人間界に行ってもらう…」
俺は、親父のその言葉に目を見開いた。
いくら反りが合わなく疎遠だったからと言って、親子の縁を切られると思ったからだ。
人間界に行くより、こっちの世界で生活している方が、俺にとって楽で良い…。
だから、この世界を追放され、親子の縁を切られるのだけは、どうしても嫌だった。
………。…矛盾してるけどな…💧💧
「…そんな顔をするな。私と反りが合わないからと言って、お前をこの世界から追放したい訳じゃない」
「……ッ。だからって、冗談じゃねェ‼何で俺が人間界に行かなきゃならねェんだよっ‼」
俺は怒りをぶつける様に叫んだ。
「クリス、何を怒っている…?人間界に行けば、お前の好きな人間の生き血を吸えるだろう?」
そう言いながら、親父は何か企んでいる様な笑みを浮かべた。
「う"…💧💧で、でも❗」
「何か不満でもあるのか…?」
最初のコメントを投稿しよう!