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「人間界で生き血を吸うには、人間と血の契約をしなきゃなんねェだろ?!」
吸血鬼が生きていく上で、人間の血は必要不可欠なものだ。
その為に、吸血鬼は人間と血の契約をしなくてはならない。
むやみやたらに、人間の血を吸ってしまえば、人間の数は減り、吸血鬼の存続にも関わって来るからだ。
吸血鬼が人間界で暮らしていくならば、尚更だ…。
「別に良いだろう?人間と血の契約をすれば、お前の好きな人間の生き血を吸うことが出来るのだからな…」
親父はそう言って、艶めかしい笑みを見せた。
「………っ。分かったよ❗行けば良いンだろ⁉行けば❗」
俺は、半ば怒り気味にその部屋から出て行こうとした。
しかし…、
「待て」
「な、何だよっ?」
「私が人間界に連れて行ってやろう…」
クリスの父親はそう言うと、眼力を使い、クリスを眠らせてしまった。
「……。お前と血の契約を結ぶ人間は、既に決まっている…。お前が他の人間に手を出さないと良いのだがな…」
そう言いながら、クリスの父親は微笑んだ後、意識が戻らないままのクリスを人間界へと送ったのだった…。
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