第1話

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「はい、見えますけど」 「マジ?」 「ええ、マジです」 「おーすげえ。一体何十年ぶりだろうな、俺のことが見える人間に会ったのは」 男性は切れ長の目を見開いて驚嘆する。 ―――何言ってるのこの人? 天然と言われ慣れている早苗でも、男性の言動は何か変だと感じずにはいられなかった。 「用がないなら出ていって下さい、警察を呼びますよ!!」 早苗のあらん限りの大声も、男性は平然と受け流してしまう。 「まあ聞けよ、ちっこいの」 「やっ……離して下さいっ!」 手首を掴まれて必死に抵抗するが、早苗の力では振り解けそうにない。 「落ち着けって。……俺が神様だって言ったら、あんたは信じるか?」 「…………カミサマ?」 「そう、カミサマ」 薄暗がりの中、余裕さえ感じさせる笑顔の男性。相対して、完全に怯えてしまった早苗。 「神社からずーっとついてきたんだけど、気がつかなかったか?」 みるみるうちに、早苗の顔色が青くなった。 「お父さーんお母さーん!! すっ、ストーカーが出たあー!!」 全力で手を振り払って、御神酒の入った袋をしっかり抱え、早苗は家の中に駆け込んだ。 ―――――To be continued...
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