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「奥様との出会いは?」
「まさか僕が見合いするとは夢にも思わなかった。
でも両親の必死の形相に根負けした。
その日が近づくにつれて憂鬱な気分に。
当日、少し遅れて離れたところから彼女を一目見て不思議な気分にみまわれた。
喉の奥にずっーと刺さっていたトゲが突然消失して、苛立ちが無くなったような不思議な気分にビックリした。
透明な肌そして多彩な表情に僕は虜にされた。
ピアノコンクールを目指しているという話しを聞いて、中断していた作曲への情熱が急激に燃え上がり、ホストも辞め毎日ピアノづけに。
彼女が初めて僕のマンションを訪れ設置してあるピアノを見て、鍵盤に触れ音を出した時の驚愕の表情が今でもまぶたの裏に焼きついている。
『このピアノまさか……』
ピアニストなら一度は触れてみたい幻のピアノ。
株で数億の利益を得て光加と同じマンションそしてピアノも一億円で購入した物だった。
『ホスト風情が私の興味を引く為にピアノだってと思っていた……
でも奇跡ね。
あなたも絶対音感の持ち主だったなんて』
それから一年後、僕達は結婚してパリへ移住しあらゆる賞を二人で総なめにした。
あの時は彼女が運命の人だと思っていたんだが、記憶が戻り、そうでない事が解ったんだよ」
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