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健の姿も忽然と消えていた。
『健ちゃん! 何処?』
舞は辺りをぐるぐる回った。
濃霧が五メートル近くまで押し寄せて来ていた。
舞がピタッと動きを止めた。
濃霧の後ろに獣の目が光っていた。
『うぅ……』
舞はゆっくりと右回りに回った。
低い唸り声が四方八方から、耳目を直撃した。
(狼か? 取り囲まれた。十匹以上いるな。絶体絶命か!)
舞いが身構えた直後、狼が一斉に飛びかかって来た。
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