1人が本棚に入れています
本棚に追加
シュッシュッシュッシュッシュッ・・・
夕陽が差し込む放課後の教室。
自分の席に座って黙々と手慣れた手つきでカードの束をシャッフルしている少年。
彼はカードの束を机の隅に置くと、そこから適当に数枚のカードを抜き取り、それらを目の前の机の上に一列に並べた。
「・・・・・。」
彼の向かい側の席に座っている女子生徒は、そのカードの列を凝視する。
「高崎さん。貴女の手でこれらのカードを右側から順番に捲ってください。」
「えっ?は、はい。」
彼女は彼の指示通りに並べられたカードを右側から順番に捲っていく。トランプともタロットとも違う見たことの無い奇妙な絵柄のカードだ。
「この並びは3の8のAで―――」
少年は現れたカードの絵柄を見ながら、何やらブツブツと呟いた後―――
「・・・はい、結果が分かりました。」
「本当ですか!?」
「おっ、落ち着いてください!」
机に身を乗り出す女子生徒を椅子に座らせた後、少年は一つ咳払いをして―――
「高崎さん、貴女は幼馴染の先輩が自分の事をどう思っているのか?もっと言えば自分に恋愛感情は抱いているのか―――それを知りたくて僕の所に来たんですよね?」
「あっ、はい・・・。それで菅野先輩、私と先輩の恋は実るのでしょうか?」
答えを聞くのが怖いのか、不安げな表情を見せる彼女に、少年は―――
最初のコメントを投稿しよう!