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明日の運勢や出来事なんて朝飯前。
恋や友情、将来など様々な悩みを持つ人々が彼のもとを訪れ、そして彼の占いによって悩める彼等は皆笑顔になった。
占いの腕もさることながら、依頼人に対して真面目で誠実、そして誰にでも優しさをもって接するその姿に多くの生徒や先生からの熱い人望を持つ少年。
そんな彼の名は―――菅野結城。
『おいでませ♪占いの館』
(今日の弁当は・・・よし、焼肉弁当にしよう。あっ、そう言えば確か今日は卵と牛乳が特売の日の筈。えっと、後は―――)
そんな事を考えながら結城がスーパー内を歩いていると・・・
ドンッ!
「キャア!」
「うわっ!」
ボンヤリと歩いていたのがいけなかったのか、結城は不注意にも誰かと正面からぶつかってしまった。
「ちょっとアンタどこ見て歩いてるのよ~。」
「あっ、ごめんね君。ボンヤリしてた・・・。」
心優しくはあるものの、同時に少々気の小さな所がある彼は相手の不愉快そうな態度の前に思わず反射的に謝ってしまった。
ぶつかった相手は結城と同年代位の女の子で、ロングヘアーに白いカチューシャ、ちょっとつり目の可愛らしい顔立ちと言った所か。
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