1人が本棚に入れています
本棚に追加
『運命とは本来己の力だけで切り開くものだ。結城、お前が自分の占いをどう役立てるのかは勝手だが、占いに依存するような生き方だけはするんじゃないぞ。』
幼い頃に師匠にそう教えられて以来、彼は自分の為に占いをするのはなるべく自重しているのだ。
彼が番組の占いコーナーを見るのは、ただ自分が占い師だから何となく関わりのありそうなモノは全部見ておきたいと言う単純な理由である。
(・・・おっ、占いコーナーが始まった。さて、天秤座である僕の明日の運勢はどんな感じなのかな?)
牡羊座から始まり、牡牛座、双子座と次々に星座毎の占いの内容がテレビの画面に表示されていき、そして―――
「それでは天秤座の明日の運勢です。天秤座の方は明日は普段行かないような所に行くと、思わぬ運命的な出会いがあるのかもしれません。ラッキースポットは学校です。」
(普段行かないような場所で、ラッキースポットは学校か・・・。両方の条件を満たす場所ってアパートの近くにあるのかな?それに運命的な出会いって一体・・・?)
最初のコメントを投稿しよう!