私の話

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彼女はずっと親友だった。 彼女は幼馴染みで小さい時から一緒にいたのだ。 おれは彼女を愛していた。だれよりも。 ほかの男に取られるぐらいなら殺したほうがましだ、とも思う程に。 実際その通りにおれはことを起こしてしまった。 彼女に彼氏が出来たのを知らなかったおれは2人が一緒にいるのを見てしまったのだ。 多分衝動的なものだったと思う。 その現実を招いた彼女に哀れみを、彼女の男に憎しみを、ぶつけるかのように。 何故か手元に存在していたナイフで2人の絆を象徴するように固く握られていた手を絶つ。 2人の絆なんて消えてしまえばいい、と一心の思いで2人の体を知らぬ間に切り裂いていた。
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