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~家~
ただいま…って言っても誰もいねーか…
静かな部屋である…まるで悲しみ,いや,淋しさが溢れた部屋だ…
「親父…お袋…帰ったぜ…」
仏壇の前に座るとボソッと呟いた…そして線香をたて,コーンと鐘を鳴らし手をあわせるとその場を離れ,台所に向かう。
「あれ…?カップ麺ねーや…今日は飯抜きか…やれ②…」
と言い,ベットに向かおうとすると…
ピーンポーン
チャイムが鳴る。
「誰だよ…たりぃ…」
重い腰を上げ,玄関に向かう。
「はい②~誰だ~」
「神也,アタシ。」
「げ,渚!」
「なによ!げ!,って!早く開けて!」
渋々扉を開けると,買い物袋を渚は持っていた。
「なんだ?」
「見てわからない?」
「わかったらきかねーだろーが…」
「ご飯作りに来たのよ…」
「………は?」
多少驚き,しばらく考えるが,渚はさっさと神也の家に入る。
「相変わらず汚いね…」
「うるせーよ!しかも男の家に躊躇なくはいるなよ…」
「今更でしょ?」
「確かに…(笑)」
ハハハと笑うとソファーに腰を下ろす。
「やっぱりカップ麺しか食べてないね…」
「飯作れねーんだよ…」
「教えてあげようか?」
「いいから…」
トントンと包丁の音がする…。
「ちょっと手伝って。」
「はいよ」
ソファーから立ち上がり台所に向かう。
「皿を用意して。」
「へい②~」
皿を持ち台所におく。
「ありがと…」
「上手そうだな?」
「こう見えてちゃんと家事全般出来るのよ?」
「へい②…」
「何?その感心ない言い方…」
「んな事ねーよ…早く食わせてくれ…」
「どうぞ。」
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