ジャンヌ

1/3
前へ
/18ページ
次へ

ジャンヌ

私の名前はジャンヌ。 私は今まで頗(スコブ)る快適な日々を過ごしてきた。 幼い頃から環境に恵まれて不自由することなど何もなく、健やかにスクスクと育ってはいる。 今では同世代の女子から羨望の的になるほど私はスマートで美しい容姿に成長しているらしい。 更に私の整った顔立ちは綺麗すぎると男子の間で随分と評判になっているそうだ… 客観的な情報しか私は信用しない、自惚れは自重している… どちらかと言うと私は用心深い方だ。 仲間達の噂や評判は幼馴染みで仲良しのマチルダが私に逐一報告してくれる。 幼い頃から背が極端に低く虚弱体質だったマチルダは毎日虐められていた。 私の傍にいれば攻撃されることもなく彼女は安泰でいられる。 なぜなら私は仲間の中でも一際大柄であり体力も頭抜けていたからだ。 彼女は私の傍にいることが多かった。 マチルダは成長しても一向に身体は大きくならない、貧弱な体型のままでいる。 それでも彼女は賢く聡明で情報通であり、苦境にめげず明るく健気だ。 そんな彼女が私にとって魅力的であり頼りがいのある大事な一番の親友だった。 身体が小さいのが、マチルダにとって一番の悩みだが…私みたく大柄すぎるのも問題かもしれない。 とにかく男子が私を好いてくれない! 背が高い私は男子に敬遠されてるらしい。 小さなマチルダは男子達にからかわれることが多かった。 実態は虐めかもしれない。それでも男子に構って貰えるだけ羨ましい。 私なんて年頃になってるのに男子から完全無視されてるのだから! 私は女子として魅力的でないのかしら? マチルダは頻りに私を煽ててルックスが綺麗綺麗と誉めてくれるけど… どんなに外見が良くても高身長すぎては意味がない。 男子達は私を恋愛の対象にするどころか近寄りもしないのだから。
/18ページ

最初のコメントを投稿しよう!

35人が本棚に入れています
本棚に追加