マチルダ

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不幸なマチルダ… そんなマチルダの実情を傍にいながら気付けなかった私。 愚かな私の関心事は自身の食事のことばかり、大事な友達の苦しみを気に留めていなかった。 瀕死の状態になってしまったマチルダを観て、やっと現実を知ったのだから。 健康な私にとって病気など恐くはない。 大事な友達を失いたくない一心で、私は可哀想なマチルダを懸命に看病した。 マチルダは私に心配をかけたくなくて私の前では気丈に振る舞っていたようだ。 彼女は今まで私の為に様々な情報を提供してくれたが自身の身の上に関しては話したがらなかった。 私は動けない彼女の為に食事の世話をし面倒を見るように心掛けた。 それで漸く病床の彼女も私に身上を語るようになったらしい。 彼女は男性経験のない私を気遣っていたのだ。 男に遊ばれてるマチルダの実情はモテない私にとっては嫌味に取られかねない。 そう懸念した彼女は動けなくなるまで私に助けを求めなかったのだ。 食い気ばかりの私は異性に関心が全然ない。 そんな私に遠慮がちだったマチルダが不憫で悔やまれる。 重体に陥ってしまった彼女を私は救わなければならない。 唯一の掛け替えない友達なのだから!!
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