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「はあ、疲れた。勉強し過ぎて頭が痛い。」
「ふふ、徹平にも勉強出来る頭があったのね?」
「美優ちゃん、酷いよ。」
「くすくす。昼食の時間だから移動しましょう?杏樹、皆木さんが迎えに来る前に行くわよ?」
「うん、分かった。」
「ち、ちょっと!!俺も一緒に行くから待って!!」
手紙の差出人に会う前にどうしても翔君の顔を見たくて、楽しそうに笑う二人と一緒に翔君達が待つ教室へ向かった。
「こんにちは!!杏樹ちゃん達を連れて来ました!!」
徹平君が勢いよく開けた扉の向こうには、いつもと変わらない光景があった。
「徹平、遅ぇんだよ。」
「やっと来たね?翔がお待ちかねだよ?」
「しょーちゃんが教室まで迎えに行くって煩かったんだよー!!」
「止めるの疲れた。」
「皆さん、遅くなってすみません!!これでも授業が終わってすぐに来たんです!!」
「ねえ、徹平?とりあえず中に入らない?」
「そうだね!!続きは中で話そう!!」
「杏樹、行くわよ?」
「……うん。」
皆に変わった様子はないから、あの封筒は私だけに送られた物みたい。
皆の事は何があっても私が守るから。
「杏樹、何してんだ?早く来い。」
「……はい。」
心の中で強く決心を固めて、翔君の声に頷き教室の中へ入った。
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