お仕置き

11/19
前へ
/27ページ
次へ
「白くて綺麗な肌だな……、」 翔君に背を向けて着替え始めた私の後ろから響いた声に、鼓動が高鳴り身体が震えた。 「あ、ありがとうございます。」 「なあ、触ってもいいか?」 身体に触れるって事? これもお仕置きの一部なら断ったり出来ないよね? 「は、はい……っ、」 私の背中に優しく触れる翔君の手の動きに全神経が集中する。 身体が熱い。 胸がドキドキして心臓が壊れそう。 「すげぇ柔らかい。」 翔君の低く甘い声に心が震える。 私の身体に触れる翔君の指先の優しい動きに、胸が締め付けられて泣きそうになる。 「っ、ん、翔君――…、」 「ん?どうした?」 「大好き。私、翔君の事が大好きです。」 「杏樹――…、」 震える声で翔君への気持ちを口にした私の身体を、背中から包み込むように抱き締めた翔君は、優しい声で私の名前を呼んだ。 「私の名前を呼ぶ翔君の声、私に優しく触れる翔君の手、私を見つめる翔君の瞳、全部が大好きです。心から溢れそうで泣きたくなります。」 「俺も杏樹と同じ気持ちだ。杏樹の声、杏樹の澄んだ瞳、杏樹の白くて柔らかな肌、俺の手を握る杏樹の小さな手、全てを愛してる。」 翔君の言葉を聞いた私は、背中から回された翔君の腕を解き、翔君の首に腕を回して抱き締めた。
/27ページ

最初のコメントを投稿しよう!

156人が本棚に入れています
本棚に追加