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「杏樹。俺がくだらねぇって言った理由が分かったか?」
「……」
「俺はお前しか見てねぇんだから、不安にならなくていい。」
「翔君――…、」
「俺は、お前以外の女に視線を向けたりしない。好きになる事もない。」
「絶対?」
「ああ、前に言ったよな?俺は一生お前のものだ。」
「翔君、ありがとう。勝手に色々考えて、不安になってごめんなさい。」
「許して欲しいか?」
「はい。」
「それなら何をするべきか分かるよな?」
翔君に許してもらうために私がするべき事。
翔君が言いたい事は何となく分かる気がするけど、行動を起こすのが恥ずかしい。
「あ、あの。翔君、目を閉じてもらえますか?」
「嫌だ。」
「……え?」
そんな……。
翔君が私に求めている事は、私から翔君にキスをする事だと思っていたけど、違うのかな?
「杏樹が何をするのか分からねぇけど、杏樹の表情を見てぇから目は閉じない。」
「で、でも……、」
キスをする時の表情なんて、自分でも見た事がないのに、翔君に見られるなんて恥ずかしい。
中々行動しない私達の事を、校門前に居る女の人達が、不思議そうな表情で見ているけど、私達の姿は車のドアに隠れて見えないよね?
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