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「……あの、翔さん?」
「あ?」
「そろそろ授業が始まる時間ですが……、」
「圭介、煩ぇぞ。邪魔すんな。」
翔君から与えられるキスに翻弄されて、頭の中がフワフワしていたけど、遠慮がちに声を掛けてきた圭介さんの言葉を聞いて我に返った。
「し、翔君!!圭介さんの言う通り学校へ行かないと……、」
「嫌だ。」
翔君は私の言葉に拗ねたような表情で答えると、私から顔を背けて視線を逸らした。
拗ねている翔君は、子供みたいで凄く可愛い。
でも翔君に可愛いって言ったら怒られるから、私だけの秘密。
「翔君、学校へ行きましょう?お願いします。」
「お前、俺の言う事は聞かねぇのに、圭介の言う事なら聞くのか?」
「そ、そんなつもりはないです!!何でも翔君の言う事を聞きますから、学校へ行きましょう?」
「何でも?」
「はい!!翔君の言う事なら、どんな事でも聞きます。」
「ふっ、分かった。杏樹、今の言葉を忘れるなよ?」
「は、はい。」
私の言葉を聞いた瞬間、翔君の態度が変わった。
何かを企んでるような、凄く楽しそうな表情。
何だか物凄く嫌な予感がする。
意地悪な表情をしている時の翔君は、私が恥ずかしくなるような事を考えてる可能性が高い。
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