嫉妬と束縛

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「……う、んっ、」 カーテンの隙間から差し込む光の眩しさで目が覚め、頭上から聞こえる翔君の小さな寝息に頬を緩めて顔を上げた。 「ふふ。今日は、翔君より早起き出来て嬉しい。」 翔君の綺麗な寝顔を独り占め出来るなんて嬉しい。 こんなに素敵な人が私の彼氏だなんて、今でも信じられない。 翔君に選んでもらえた私は凄く幸せだけど、翔君は私と居て本当に幸せなのかな? 私と出会った日から、溢れる程の幸せで満たされていると言ってくれた言葉に嘘はないよね? いつも翔君の周りには、素敵な女の人が沢山居る。 学校や外出先で感じる、翔君への熱い視線。 同時に感じる、私への嫉妬が入り混じった鋭い視線。 翔君は周りの視線なんて気にもしないで、私だけに優しい視線を向けてくれる。 それはとても幸せな事だけど、時々不安になる。 もし、翔君が私以外の人を好きになってしまったら、私はどうすればいい? 翔君と離れて片翼に戻ってしまったら、私は一人で飛ぶ事が出来るの? ずっと一緒に居てくれると言った翔君の言葉は、心から信じているけど、この世に絶対なんて言葉はない。 だから、もし翔君を失う事になっても泣かずに生きて行けるように、私は強くならないと駄目。 「……翔君。私、頑張るね?」 翔君の柔らかな髪に触れながら、決心の言葉を口にした。
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