127人が本棚に入れています
本棚に追加
「杏樹、真剣な顔して何を考えてんだ？」
「あ、ごめんなさい!!お姉様の事を考えてました。」
「圭介に連絡入れる時にメールを見たら姉貴からだった。杏樹に用があるらしい。」
「私に用ですか？」
「ああ。詳しい事は溜まり場で話すって内容だった。」
「そうですか。分かりました!!」
どんな理由でも、お姉様に会えるのは嬉しい。
お土産も直接渡せる事になって良かった。
「……はあ。とりあえず、学校行くぞ。」
「はい!!」
「姉貴の奴、杏樹に何の用だよ。マジうぜぇ。」
不機嫌な表情で歩き出した翔君と部屋を出て、エレベーターに乗り込んだ。
「翔さん、杏樹ちゃん、おはようございます。」
「ああ。」
「圭介さん、おはようございます!!朝早くからご苦労様です。」
エレベーターを下りて外に出ると、既に到着していた圭介さんが、車の側に立っていた。
「翔さん、杏樹ちゃん、どうぞ。車に乗って下さい。」
「杏樹、おいで。」
「はい!!翔君、ありがとうございます。」
圭介さんと挨拶を交わし後、翔君に抱き上げられて車に乗り込んだ。
「出せ。」
翔君の言葉を合図に車が動き出し、窓の外に視線を向けて流れる景色を眺めていた私は、ふと思い出した事を聞くために、車内に視線を移した。
最初のコメントを投稿しよう！