さては血祭り、夏祭り

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(びっくりするくらい彼女は泣いていた。大粒の涙がボロボロと顔にこぼれてきた) ヤンデレ「心変わりがどうとか、彼女になったらどうとか、だからこのままでいたいとか、そんなの知らないよっ!!!」 (彼女の輪郭を花火が何度も浮かび上がらせる。肩が震えていた) ヤンデレ「心変わりなんてさせない!彼女になったら幸せになる!今までと変わらせない!!絶対にっ!!!」 (周りの人が驚くくらいの大声で、聞いたことも無いような掠れた声を振り絞って叫んでいた) ヤンデレ「・・・どんなことでもするよ?あたし無しじゃ生きていけなくしてあげるよ?浮気なんかさせない。したら、殺してあげるから」 (比喩じゃない。目標じゃない。本気なんだ。そう確信させるのに十分な質感が彼女の言葉にはあった) ヤンデレ「・・・覚悟、してるんだ。・・・告白は、いつも、覚悟、してるんだ・・・。そうやって、あなたの答え、ずっと待ってるんだ・・・。どうなるか分かんなくて、怖くても、待ってるんだ」 (消えそうなくらい、声は掠れて、弱まっていた。何度も何度も花火は爆ぜ続けた) ヤンデレ「・・・なめないでよ・・・。口癖じゃない・・・気まぐれでも無い・・・。本気なんだよっ!!!」 (-ああ、そうか、もう、後には退けないな。聞いてしまったから。核心に触れてしまったから。・・・どっちにしろ、痛みを伴う選択だ) ヤンデレ「・・・答えてよ。・・・もう、なぁなぁにしないで、答えてよ!!」 (ひときわ大きいやつが河原一面を鮮やかな光に染める。でも、すぐに闇が訪れるだろう。その前に) ヤンデレ「答えろっ、春日井 叶目(かすがい かなめ)っっ!!!」
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