さては血祭り、夏祭り

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(言葉を尽くすのも、探すのも止めた) (口にしたのはたった一言だけ) (幾つもの分岐を潰して、一つだけの未来が残った) (希望なのか、絶望なのか。まだ知らない) (今は、今だけは、『ヤンデレ』-雨崎なゆた を照らす花火の光が見える) (なゆたは、なゆたの輪郭は、影となって何度も浮かび上がっては、闇に溶けて消えて、また浮かび上がってを繰り返した) (打ち上げが終わり、何もかもが闇に包まれて、薄ぼんやりと星明かりの下に俺たちが浮かび上がるまで、ずうっと、そうしていた)
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