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疲れた…。
お腹すいた…。
足痛い…。
早く帰りたい…。
その前にコンビニ。
バイトあがりはいつもこんな感じかもしれない。
飲食店だからあがる時間も22時。
着替えて家に向かって自転車走らせて、まっすぐ帰っても22時半。
空は真っ暗。
お店もほとんどあいてない。
高校を卒業してフリーターになった。
何気に稼げるから一人暮らしを始めてみた。
彼氏もずっといなくて、ただ寝るだけの家になった。
あんまり一人暮らしの意味もないかもしれない。
それでも2年一人暮らし。
現在21。
恋はしたくても出会いもない。
いつものコンビニでおにぎりとジュースを買って、さて帰ろうと自転車の脇。
「おばさん、邪魔。どけ」
なんていう声が私にかかった。
おばさん…。
どこのクソガキだと睨みつけるように振り返ると、原付乗った高校生くらいの悪ガキくさいのがいた。
ただ、その顔は女の子かと思うくらいかわいくて、本当にこれがさっきの言葉を言ったのか、思わず見てしまった。
「……ジロジロ見んな」
なんか照れて言ってる。
ちょっとかわいいから、おばさんと21の私に向かって言ったことを許してやることにした。
自転車の前カゴに買ったものと鞄を入れて、さっさと自転車を動かしてどいてあげる。
他にも場所あるのに、どうしてもここがいいみたいだし。
まあここがコンビニの入り口に一番近いんだけど。
「……ありがと」
自転車を走らせようとしたら、そんな小さな声が聞こえて、私は思わず笑ってしまいながら、自転車でそのまま走り出す。
季節は夏で、世間の学生は夏休みで、遊びたい放題の悪ガキが夜でもうろついていた。
次の日も同じ時間帯でバイト。
また疲れた、お腹すいたといつものコンビニ。
何台か停まってる原付は悪ガキどもだろう。
高校を出て3年しかたってないのに、もう若いなぁと思ってしまう。
私も高校の頃は遊びたい放題やらせてもらっていたと思う。
アメリカンドックとパンを買って、いつものように自転車に。
「あのっ」
声をかけられた気がして顔を上げると、あの昨日の悪ガキがこっちを見ていた。
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