Darling,Do you love me?

2/26
前へ
/92ページ
次へ
疲れた…。 お腹すいた…。 足痛い…。 早く帰りたい…。 その前にコンビニ。 バイトあがりはいつもこんな感じかもしれない。 飲食店だからあがる時間も22時。 着替えて家に向かって自転車走らせて、まっすぐ帰っても22時半。 空は真っ暗。 お店もほとんどあいてない。 高校を卒業してフリーターになった。 何気に稼げるから一人暮らしを始めてみた。 彼氏もずっといなくて、ただ寝るだけの家になった。 あんまり一人暮らしの意味もないかもしれない。 それでも2年一人暮らし。 現在21。 恋はしたくても出会いもない。 いつものコンビニでおにぎりとジュースを買って、さて帰ろうと自転車の脇。 「おばさん、邪魔。どけ」 なんていう声が私にかかった。 おばさん…。 どこのクソガキだと睨みつけるように振り返ると、原付乗った高校生くらいの悪ガキくさいのがいた。 ただ、その顔は女の子かと思うくらいかわいくて、本当にこれがさっきの言葉を言ったのか、思わず見てしまった。 「……ジロジロ見んな」 なんか照れて言ってる。 ちょっとかわいいから、おばさんと21の私に向かって言ったことを許してやることにした。 自転車の前カゴに買ったものと鞄を入れて、さっさと自転車を動かしてどいてあげる。 他にも場所あるのに、どうしてもここがいいみたいだし。 まあここがコンビニの入り口に一番近いんだけど。 「……ありがと」 自転車を走らせようとしたら、そんな小さな声が聞こえて、私は思わず笑ってしまいながら、自転車でそのまま走り出す。 季節は夏で、世間の学生は夏休みで、遊びたい放題の悪ガキが夜でもうろついていた。 次の日も同じ時間帯でバイト。 また疲れた、お腹すいたといつものコンビニ。 何台か停まってる原付は悪ガキどもだろう。 高校を出て3年しかたってないのに、もう若いなぁと思ってしまう。 私も高校の頃は遊びたい放題やらせてもらっていたと思う。 アメリカンドックとパンを買って、いつものように自転車に。 「あのっ」 声をかけられた気がして顔を上げると、あの昨日の悪ガキがこっちを見ていた。
/92ページ

最初のコメントを投稿しよう!

40人が本棚に入れています
本棚に追加