Dreaming with you

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高校の文化祭がきっかけで、しばらく智たちのやってるストリートダンサーってやつを一緒にやっていた。 哲也と別れたあとは哲也がいないときだけ。 バイトが終わる時間も時間だし、足は遠のいて、飲み会にだけ参加するようになった。 別にダンスなんて興味ないし…なんて言えば、嘘になる。 面倒なこと考えないで、体を動かしているのが好きだった。 カイリに引っ張られるようにつきあい始めて、智にも哲也にもやめておけって言われて、どこか意地になってやめないって言ったあとは、哲也が変なこと言ったりもしたから飲み会にもいかなくなった。 そしたら、私の生活、バイトとカイリだけになってしまった。 ま、いっかと思っていたら、高校を卒業したカイリは私の家に住み着きだして、更にカイリがいるのが当たり前の生活になってしまった。 なんにもないようで、毎日はなにかあって、気がつくと私は25でカイリは21。 4つの年の差恋愛はまだ続いている。 私は変わらずファミレスのバイトをしている。 カイリは大学生。 バイトは新聞配達ではない。 バイトも休みで、一日中寝まくって、起きると部屋は真っ暗だった。 ぼーっとまだ寝ぼけている頭で、とりあえずテレビの電源を入れると、歌番組だったらしい。 カイリの名前が聞こえて、私はテレビのほうを見る。 テレビの画面の中にカイリがいる。 カメラ映りのいい男だ。 カメラに視線を向けることもなく、愛想笑いを見せることもなく、カイリは手にしたギターを弾いて歌う。 そう。これがカイリのバイト。 しかもどうやら今日、これがテレビ初登場ってやつだ。 知る人ぞ知るくらいでやっていたのに、とうとうテレビに出やがった。 知ってる人は知ってるから、カイリと旅した途中でカイリに声をかけていたのは、カイリのファンっていうところ。 テレビの中で歌っているカイリをぼんやり眺めて、そのサビの部分だけを小さく口ずさむ。 ……もう終わろうよ、この恋愛。 あなたは私にはもったいない。
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