Darling,Do you love me?

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4つも年上のくせにとか、からかわれるような言葉を言われそうで、どうしても正直に言えなかった。 かわりにするつもりはないっていう態度を見せてあげるのに、カイリはまだ私に寄ってくる。 経験したいだけなら私じゃなくてもいいはずなのに。 なんか離れない。 カイリは本当にケーキを買ってきて、私にバースデーソングを歌う。 わざわざアコギ持参。 しかもけっこうちゃんと弾く。 今年の誕生日はバイトしていた。 誰も祝ってはくれなかったし、帰りにコンビニのケーキを見ても買わなかった。 けっこう高いキーで歌うカイリの声に、やっぱり女の子とまた疑っている私がいる。 その胸、まっ平らだし、胸板って感じに厚みがあるような気がするけど。 これならいいかなとカイリの胸タッチしてみた。 意外とかたかった。 筋肉だった。 「…なに?翔ちゃん」 「…なんでもない」 私はカイリから手を離して、ケーキをいただく。 ケーキはおいしい。 コンビニのじゃないケーキをわざわざ買ってきやがって、かわいいやつだ。 「おいしい?次、なに歌おうか?学校で習ったカーペンターズでもいってみる?」 「ケーキはおいしい。…音楽好きなの?」 「歌うの好き。今度カラオケいこ?オールで歌いまくろう?」 「なんかデートみたいなんだけど」 「デートしよ?」 「つきあってはいないはずなんだけど」 「…俺、もうつきあってると思ってた。じゃあ、今日からつきあおう?」 …なんなんだろう。 なんかやっぱり変なのにつきまとわられているような気がする。 ヤりたいだけでつきあうってなんなの。 「学校の子とつきあえば?モテるでしょ?」 「…モテるって意味不明」 カイリはそんなこと言ってごまかして、ケーキを食べて満足そうな笑みを見せる。 …モテてる。絶対。 「告白されないの?つきあおうって言われるでしょ?」 「今夏休みだし」 「……かわいくない」 ごまかされてばかりでちょっとムカついた。 「かわいがってよっ。俺、翔ちゃんにかわいがられようとかわいこぶってんのにっ」 「…ぶりっこ?」 ちらっとカイリを見ると、カイリは少し悩んだ顔を見せる。 「…というか、勝手にそうなる。かわいがって?翔ちゃん」 よしよしと頭を撫でてみると、カイリは笑顔でうれしそう。 犬だと尻尾振りまくってるんだろう。
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