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「うん。思う。俺、翔ちゃんがいないと生きられないよ」
カイリは深く共感したように言ってくれる。
べしべし叩いて本音言わせようとしても、同じようなことしか言わない。
もうさすがにこの私のこと大好きなところには呆れてもいる。
「なんで生きられないのよ?」
「俺の生活の一部だから。かわりになるものなんてないよ。だからね、翔ちゃん。俺より先に死なないでね?」
「それは私をおばさんと言いたいわけ?」
「誰も言ってないしっ。もうっ、翔ちゃん、すぐにおばさんって言う」
「あんたが私に最初にかけた言葉、覚えてる?」
「記憶力いいよね、翔ちゃんって。翔ちゃん、俺のマネージャーなろうよ」
カイリが何かどこか話をさらっと逸らすのも、いつものことかもしれない。
「おばさんって言ったよね?」
「…俺、年上の女、興味なかったもん。全部、おばさんだろって思ってて、翔ちゃん、いかにも年上っぽい後ろ姿だったし。怒らせてもいいやって適当だったし。……でも、振り向いたその顔、なんかちょっとかわいくて。でもお姉さんで。怒鳴り返してくることもなく、なんかさらっとしてて。……また会いたいって思った。
一目惚れって言ったときも、本当はわからなかった。自分の気持ち。ただ、また会いたい。知りたい。……惚れてるってこういうのかなって、そのうち思って。
俺に媚びない女。俺に構ってもらおうとしてくる女はたくさんいるけど、俺に構われたくない女。尽くしても、どこかさらっと流される」
また誉められていない気がする。
流していたかなと過去の自分を見たくなる。
というか、今もそう思われているような気がする。
流しているつもりはないけど、大袈裟なくらいに喜んでみせるかわいらしさは私にはない。
そんなのよくわかってる。
だから男友達に男女扱いされる。
「でも、流されたってしょんぼりしたあとに、それずるいだろって思うようなご褒美くれる。
俺にとって初めてのキスでもなかったけど、翔ちゃんとの初めてのキスで……俺、たぶん奪われた。
年上、興味なかったんだよ。翔ちゃんには興味もった。翔ちゃんがしわしわになっても、俺、たぶん好き。なんでって聞かれてもわからない。でも好き。翔ちゃんならそれでいい」
恥ずかしい。
でもうれしい。
嫌いだけど好き。
それがカイリだから。
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