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クラスメイトは中3の時とあまり変わって居なかった。
ほんの少しだけ他のクラスに行ったり、他のクラスから来てたり、編入組がいたりというだけで、なんのことはない。
LHR中もだらだらと近くの席の奴と話していた。
幼稚舎からずっとこんな感じだ。
代わり映えのない毎日。
けれど何不自由していない。
両親は健在でそれなりの稼ぎがある。
可愛い妹と格好いい兄もいる。
友達だってそれなりにいる。
付き合ったことはないけれど告白をされたこともある。
平凡、というよりは幸せな暮らしだろう。
だけど、つまらない。
そんな生活。
「それではこれでLHRを終わります。」
そんな先生の声で共にだらだらと席を立つ。
姫月達のクラスももうLHR終わったかな?
そんなことを思いながら教室を出れば、他のクラスからも生徒が出て来ていた。
どこも終わってる頃合いか。
見知った連中と軽く会話を交わしながら、姫月達のクラスへ。
満「ん、終わってるな…。」
教室の中に残っている生徒は疎ら。
真ん中辺りにその輝く金髪を見つけた。
迷いなく近付くと、姫月と咲月、2人で数名の女の子に囲まれていた。
なんだ…?
姫「あ、満月のクラスもHR終わったの?」
満「え、あ、うん。」
ハーレム状態に戸惑いながら返事をすると、女子達の注目がこっちに集まった。
見たことのない顔。
多分編入組だろう。
「えっ? この子も兄妹っ!?」
「可愛いー!」
「名前なんていうのっ?」
俺が囲まれた。
ていうか誰だ可愛いって言った奴。
男にそれは言っちゃいけません。
「目も髪も姫月ちゃんと同じだね。」
そう。
青い瞳は3人一緒。
だけど髪だけは違う。
咲月だけが真っ黒で、俺達は金色。
咲月は、それを気にしている。
隠していても分かってしまう。
満「あー、うん、そうだね。」
返す言葉が分からず、適当に相槌を打つしかなかった。
ていうかなんなんだこいつら…。
教室には、姫月、咲月、俺、この編入組の女子達の他には殆どいなかった。
残っている生徒も帰り仕度を進めていた。
ただ1人、綾吊美月を除いて。
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