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満「………。」
彼女はぼうっと窓の外を眺めていた。
頬杖をついてただただぼんやりと。
窓の外には沢山の車。
正面玄関前にある車寄せに入る為に並んでいるのだろう。
別段彼女はそんなものを気にしている訳でもなく、どうでも良さげに外を眺めていた。
その姿は、絵画のように美しかった。
「綾吊さんに見惚れてるの?」
満「うわっ!」
突然目の前に女の子の顔。
やめろよ…、ビックリする。
「うわって酷い~。
お化けじゃないんだから~!」
そう良いながらけらけらと笑う彼女。
酷いって…、普通にビックリするから。
「あの子、姫月ちゃんと新入生代表挨拶してた子だよね。頭良いんだ。」
「すっごい綺麗だね~。」
「満月君、惚れちゃったの?」
何言ってるんだこいつは…。
ていうか、名乗った覚えはないんだが…。
まあどっちかが教えたんだろうが。
「でもあの子感じ悪い。」
「え~? そうなの?」
「ずっと1人でいるから話し掛けてあげたのに、ずーっと無視だよ?」
話し掛けてあげたって…。
「聞こえてないとかじゃなくて、こっちに視線向けるくせに何も答えないの!
あたし達と話すことなんてないって感じっ!」
「え~、なにそれ。可愛くて頭良いからって良い気になってりすぎ!」
「性格悪そ~。」
「満月君、あんな子やめておいた方がいいよ。」
……なんていうか。
別に綾吊さんのことが取り立てて好きという訳ではないし、どちらかといえば苦手だけど、流石にイラっとした。
満「こんなとこで陰口叩いてる君達の方がよっぽど性格悪いでしょ。」
「なっ…!」
別に良い人っぽく見せようって訳じゃないけど、こういう陰湿な行為は嫌いだ。
女の子ってどうしてこうネチっこいんだろ。
満「自分のことを棚にあげて、人の批判するなんて、よっぽど君達の方がいい気になってるんじゃない?
本人に陰口叩かず直接言いなよ。」
「~~っ!」
「もう、帰ろ!」
「ばいばい!」
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