Chapter 1

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  満「………。」 彼女はぼうっと窓の外を眺めていた。 頬杖をついてただただぼんやりと。 窓の外には沢山の車。 正面玄関前にある車寄せに入る為に並んでいるのだろう。 別段彼女はそんなものを気にしている訳でもなく、どうでも良さげに外を眺めていた。 その姿は、絵画のように美しかった。  「綾吊さんに見惚れてるの?」 満「うわっ!」 突然目の前に女の子の顔。 やめろよ…、ビックリする。  「うわって酷い~。 お化けじゃないんだから~!」 そう良いながらけらけらと笑う彼女。 酷いって…、普通にビックリするから。  「あの子、姫月ちゃんと新入生代表挨拶してた子だよね。頭良いんだ。」  「すっごい綺麗だね~。」  「満月君、惚れちゃったの?」 何言ってるんだこいつは…。 ていうか、名乗った覚えはないんだが…。 まあどっちかが教えたんだろうが。  「でもあの子感じ悪い。」  「え~? そうなの?」  「ずっと1人でいるから話し掛けてあげたのに、ずーっと無視だよ?」 話し掛けてあげたって…。  「聞こえてないとかじゃなくて、こっちに視線向けるくせに何も答えないの! あたし達と話すことなんてないって感じっ!」  「え~、なにそれ。可愛くて頭良いからって良い気になってりすぎ!」  「性格悪そ~。」  「満月君、あんな子やめておいた方がいいよ。」 ……なんていうか。 別に綾吊さんのことが取り立てて好きという訳ではないし、どちらかといえば苦手だけど、流石にイラっとした。 満「こんなとこで陰口叩いてる君達の方がよっぽど性格悪いでしょ。」  「なっ…!」 別に良い人っぽく見せようって訳じゃないけど、こういう陰湿な行為は嫌いだ。 女の子ってどうしてこうネチっこいんだろ。 満「自分のことを棚にあげて、人の批判するなんて、よっぽど君達の方がいい気になってるんじゃない? 本人に陰口叩かず直接言いなよ。」  「~~っ!」  「もう、帰ろ!」  「ばいばい!」  
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