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美「流石に何の準備もなくこんなこと言わないわよ。」
姫「……今日は新月か。」
軽く舌打ちをして、姫月はひとっ飛びで俺達のところまで戻ってきた。
美「そうでもなきゃ落ち着いて話も出来ないなんて、血の気の多い吸血鬼は嫌ね。」
……は?
吸血鬼?
姫「宣戦布告なんて言ってたのによく言うね。」
剣を構えたまま、綾吊さんをキッと睨み付ける。
姫「それで? 言いたいことはそれだけなの?」
美「新月だって分かったのに、随分と威勢が良いのね。」
姫「そんな精気の薄い身体じゃ、防御で精一杯なことぐらい分かるわ。
見くびらないで。」
そんな姫月の言葉に、ふぅんとつまらなさそうに返す。
美「優秀過ぎて可愛げのない子ね。」
姫「2つに別れてる不安定な存在に負ける気はしないよ。」
美「………。」
寸の間、驚いたような表情を浮かべたが、すぐに眉をひそめ嫌そうな顔になる。
美「そこまで分かられてるなんて、思わなかったわ。」
姫「あまり馬鹿にしないでくれる?
貴女の基準で私を計らないで。」
美「……そうね、私が甘かったわ。」
姫「それで? 言いたいことは終わりなの?
私、早く帰ってこの2人に説明しないといけないのだけれど。」
切実に説明を希望します。
もう話について行けなさ過ぎてひたすら描写に回ってます。
美「では最後に2つだけ。」
姫「早くしなさい。」
美「せっかちねぇ…。
1つ、宣戦布告なんてしたけれど、私はこの子の意志に従う。」
姫「じゃあ何故そんな馬鹿馬鹿しいことを。」
美「最後まで聞きなさいな。
この子の意志…、望みとは、この子のお兄様の望みを叶えること。
でも、この子自身お兄様に望みを聞いた訳じゃないの。
推察した結果私達の世界を作ることが望みだと結論付けただけ。
だから私は宣戦布告をした。
この子のお兄様の望みが違うものならそちらを叶える為に動くわ。」
なんだそれ、まどろっこしい。
お兄ちゃんのしたいことぐらい直接聞けば良いものを。
なんでそんな空回りかもしれないことをするのか分からない。
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