Chapter 1

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  美「流石に何の準備もなくこんなこと言わないわよ。」 姫「……今日は新月か。」 軽く舌打ちをして、姫月はひとっ飛びで俺達のところまで戻ってきた。 美「そうでもなきゃ落ち着いて話も出来ないなんて、血の気の多い吸血鬼は嫌ね。」 ……は? 吸血鬼? 姫「宣戦布告なんて言ってたのによく言うね。」 剣を構えたまま、綾吊さんをキッと睨み付ける。 姫「それで? 言いたいことはそれだけなの?」 美「新月だって分かったのに、随分と威勢が良いのね。」 姫「そんな精気の薄い身体じゃ、防御で精一杯なことぐらい分かるわ。 見くびらないで。」 そんな姫月の言葉に、ふぅんとつまらなさそうに返す。 美「優秀過ぎて可愛げのない子ね。」 姫「2つに別れてる不安定な存在に負ける気はしないよ。」 美「………。」 寸の間、驚いたような表情を浮かべたが、すぐに眉をひそめ嫌そうな顔になる。 美「そこまで分かられてるなんて、思わなかったわ。」 姫「あまり馬鹿にしないでくれる? 貴女の基準で私を計らないで。」 美「……そうね、私が甘かったわ。」 姫「それで? 言いたいことは終わりなの? 私、早く帰ってこの2人に説明しないといけないのだけれど。」 切実に説明を希望します。 もう話について行けなさ過ぎてひたすら描写に回ってます。 美「では最後に2つだけ。」 姫「早くしなさい。」 美「せっかちねぇ…。 1つ、宣戦布告なんてしたけれど、私はこの子の意志に従う。」 姫「じゃあ何故そんな馬鹿馬鹿しいことを。」 美「最後まで聞きなさいな。 この子の意志…、望みとは、この子のお兄様の望みを叶えること。 でも、この子自身お兄様に望みを聞いた訳じゃないの。 推察した結果私達の世界を作ることが望みだと結論付けただけ。 だから私は宣戦布告をした。 この子のお兄様の望みが違うものならそちらを叶える為に動くわ。」 なんだそれ、まどろっこしい。 お兄ちゃんのしたいことぐらい直接聞けば良いものを。 なんでそんな空回りかもしれないことをするのか分からない。  
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