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「でねー、くーちゃんが階段でつまづいちゃって――」
千影ちゃんと登校している時俺は考えていた。起きたときから気になっていたことだ。そう、なぜ俺が女子小学生になったかだ。可能性としては夢という線が濃厚だと思う。
朝起きた時は物がくっきりはっきり見えていたので、現実だと疑わなかったが覚めた頭で考えるとおかしすぎる。
それに明晰夢というものも思い出した。自分の夢と自覚しながら見ている夢の事だ。それ以外考えれない。というよりそうじゃないと困る。人生やり直したいと思ったこともあったけど、なったらなったで大変だわこれ。
「灯ちゃん聞いてる?それに困った顔してるよ、悩み事だったら相談してね」
やべ、聞いてなかった。考えてる間ずっと生返事ばっかだったし、心配もさせちゃったみたいだな、気をつけよう。
それより優しいこと言ってくれるじゃないの。千影ちゃんマジ天使。
思考を戻そう、明晰夢立った場合確かめるのは簡単だ。
なんでもできる。空を飛ぶこともワープも覇気を使って男のゴールデンボールを縮みあがらせることだってできるだろう。
最後のはしないけど。
とりあえず何かぶっ飛んだことができれば明晰夢だ。
俺は立ち止まる。
「灯ちゃん?」
心配そうにこちらに顔を向けるが気にしない。
俺は両手を空に向け大きく伸ばす。行くぞ!!
「おらに元気を分けてくれー!!」
「えっ!?今日の灯ちゃん変だよ!大丈夫!?」
「大丈夫だよ、いまから凄いもの見せてあげるからね!」
うおおぉぉぉぉおぉぉ!来い元気玉!
1分経過
「もういいよ!私みれなくても構わないから!遅刻しちゃうよー!」
「うん…ごめんね…」
俺は腕を下ろしうなだれた。
なぜだ!明晰夢をもってして元気玉は不可能なのか!?
「落ち込まないで、何を見せたかったかは分からなかったけど、できる時に見せてね!」
意味不明な俺に優しくしてくれる千影ちゃんマジ
「天使…」
「何か言った?」
しまった、つい口に出てしまったようだ。「な、何でもない」と赤くなった顔を隠すように背ける。おっさんだったらこんな行為ひたすらキモイだろうな。
可愛いは正義!
「そう?じゃあ行こっか」
その言葉で立ち止まっていた俺達は歩き出した。
いやぁ、しかしたまげたなぁ…。最近の女の子は元気玉分かんないのかぁ。
ちょっとしたカルチャーショックにショックしつつ学校へと向かうのだった。
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