殺人指南

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「え?殺したい奴がいるって?まじか。お前もそんなところがあるんだ。虫も殺せないような顔してるのになあ。 まあ、俺とお前の仲だ。教えてやるよ。逆に、良くぞ聞いてくれました。 ところで、焼きそばパンとコーヒー買ってきてくれないか?腹へっちゃってさ。」 「おお。悪いな。この売店の焼きそばパンうまいよな。俺はこれに目がなくてな。キャベツと肉がタップリ入ってやがる。 えーと。なんの話だっけ?嫌な奴の殺し方だっけ。物騒な話だよなあ。しかし… うん。まずは相手と仲良くなることだ。ん?と思うかもしれないが、気のおけない仲になればチャンスはいくらでも転がっている。焦ってはダメだ。地道に信頼関係を作るんだ。変な話だがな。 例えば、一緒に学校から帰る仲になってみろ。脇を車がビュンビュン走ってる訳だろ。そこへタイミングを見計らってよろけたフリをして足元へタックルするんだ。どうだ。これいいだろう?もし、失敗しても、ごめんゴメンで通る。そして、またチャンスを狙えばいい。 下手に100%殺そうなんて思ったらだめだ。基本、うまくいけば殺せるぐらいのスタンスでやらないといかん。」 「え?焼きそばパンの金か。ちょっと貸しといてくれよ。 あるいは、こんなのどうだ?一緒に飯食う仲になったとするだろう。そしたらそいつが食う飯の中に入れてやるのさ。毒はだめだ。すぐにバレる。例えば生肉の事件覚えてるだろう?ユッケの…生肉をこっそり入れとくんだよ。食中毒と思わせるんだ。どうだ?簡単だろう? 水死、転落死、行方不明、などなど世の中には事故で片付けられた事件が色々あるだろう。その内、いくつかは殺人が含まれていると俺はにらんでるんだ。」 「もし、お前の身近で誰か嫌な奴が死んだらお前の仕業だな、と思うからな。アハハハ…なんてな。冗談だよ。ところで、次の講義代返しといてくれないか?ちょっと腹痛くてな。焼きそばパンにあたったのかな?じゃあな。頼んだぞ。」
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