1700人が本棚に入れています
本棚に追加
「俺の腕に何をしやがぁ!!あああああ!!ふざけんな!!ふざけんなァアああ!!」
マリクさんは正気を失っているのか目を血走らせて喚き散らしている。
「ま、マリクさん落ち着いて!」
「あんたそんな人じゃなかっただろ」
村人が口々にマリクさんを宥めようとしているが、焼け石に水のようでますます暴れる。
「……マリクさんを助けたいのならユミルさんの家に来てください」
僕はそう言って元来た道を戻り始めた。
それに慌ててレオンが僕を引き止めるために横に並んで話し始めた。
「助けてやらないのか?」
「薬とかは全部倉庫の中だからね。ここじゃ無理だよ。あと、はっきり言うけどあそこまで拒絶する人はどうしようもないかな」
後ろを振り向くと滅茶苦茶に暴れまわって、親切な人の邪魔をしている。
「誰があんなガキに金なんて払うか!!金は全部俺のもんだ!!俺のだぁああああ!!」
「金と命どっちが大事か分かるだろ!!」
「金ェエエエ!!金さえあれば命も買えるぅ!!あの家の金は俺のだ!!ガキに金なんてやれるかぁ!!金さえあれば、俺はァア!!」
今、お金の為に命を捨てようとしているのが分からないのだろうか?
それにお金に執着出来るほどお金は持っていないでしょ……
「お金を取るなんて一言も言ってないのにね」
「……」
その後、頭を強打して気絶させられたマリクさんが運ばれてきて嫌々処置することとなった。
最初のコメントを投稿しよう!